劇団プロメテウス「目覚めよ、と呼ぶ声が天より聞こえ」

 劇団プロメテウス公演『目覚めよ、と呼ぶ声が天より聞こえ』が東京・渋谷の東京ウィメンズプラザで開かれました(4月1日-3日)。2000年の旗揚げ公演の再演。高校時代の先輩2人が参加している舞台をみた小畑明日香さんからレビ … “劇団プロメテウス「目覚めよ、と呼ぶ声が天より聞こえ」” の続きを読む

 劇団プロメテウス公演『目覚めよ、と呼ぶ声が天より聞こえ』が東京・渋谷の東京ウィメンズプラザで開かれました(4月1日-3日)。2000年の旗揚げ公演の再演。高校時代の先輩2人が参加している舞台をみた小畑明日香さんからレビューが届きました。


◎劇団プロメテウス「目覚めよ、と呼ぶ声が天より聞こえ」

 ・・・だめだぁー。だめです。面白いんだけど。

 筆者の高校の演劇部で先輩だった人が二人、参加しているこの劇団。二階席まである舞台をフルに使って役者が動き回る。身体能力をフルに生かして走ったり飛んだりもする。照明に関しては何の知識も無いが、贅沢に使っていると思う。

 なのにどうもいけない。
 きっと熱意がありすぎるのだ。
 旗揚げ時の台本を、劇団結成時からの役者が演出して再演したという作品だからかもしれない。演出家にとっては一番距離がとりにくいだろうし、初演のイメージを払拭するために苦労したのが窺える。役者を縦一列にしたり横一列にしたり、円にしたり。凝りすぎてか、役者の動きも自分の動きに似せてしまっていて役者がやりづらそうだった。「左門」というギャグ担当の役が際立って新鮮に見えたのは、きっと彼だけ好き勝手やらせてもらっていたからに違いない。

 台本自体、旗揚げ時のノリが引きずられている感じがする。旧約聖書を土台にシェークスピアと白虎隊を混ぜてトッピングにゲーテ、という話だと、一つ一つの知識がごつごつ主張しているのはいただけない。やっぱ野田秀樹って上手いよな、と思ってしまった。

 殺陣は上手いし、先輩二人(一人は演出兼役者)の動きは図抜けて目を惹いた。上手いのはわかるから、そんなに一生懸命やらないでほしい。演出家は脚本の言い回しを直す権利だってあると思うし、台本から洗い直してみたほうがよかったんじゃないだろうか。
小畑明日香(2005.5.10)

[上演記録]
劇団プロメテウス
目覚めよ、と呼ぶ声が天より聞こえ

会場:東京ウィメンズプラザ (東京・渋谷)
期間:4月1日-3日

作:金井以政
脚色・演出:三島由流
出演
飯沼貞吉:大橋光
右子/おむね:若山栄子
左子/文子:かわさき愛子
篠田儀三郎:小野一博
神父/日向内記:石部雄一
生徒:桐生真一
黒川雄斗、阿部明日香、松岡貴史、他

企画・制作 小野一博
照明 久保良子
音響 大野幸彦
舞台監督 久保大輔
撮影 根田拓也
美術・衣装 八重沢晃祥
衣装協力 矢内原充志(nibroll about street)
Print textile work by yaezawa (ヤエザワロゴ)www.yaezawa.com
運営 株式会社テクノリンク

出演
飯沼貞吉:大橋 光
右子/おむね:若山 栄子
左子/文子:かわさき愛子
篠田儀三郎:小野 一博
神父/日向内記:石部 雄一
生徒:桐生 真一
黒川雄斗、阿部明日香、松岡貴史、他

投稿者: 北嶋孝

ワンダーランド代表

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