机上風景「複雑な愛の記録」

 机上風景第11回公演「複雑な愛の記録」が新宿タイニイアリスで開かれました(6月14日-19日)。「リアルな演技、シリアスなエンタテインメント」を標榜している劇団の特質がよく現れた舞台だったようです。  「休むに似たり。 … “机上風景「複雑な愛の記録」” の続きを読む

 机上風景第11回公演「複雑な愛の記録」が新宿タイニイアリスで開かれました(6月14日-19日)。「リアルな演技、シリアスなエンタテインメント」を標榜している劇団の特質がよく現れた舞台だったようです。


 「休むに似たり。」のかわひらさんは「手紙をただひたすら、電話に向かって読み上げる女、そうなるに至った理由は彼女の自由を奪うが、ふと目にした光景は彼女をとりこに」と舞台の設定を凝縮して表現、「会えない男女の、少し込み入った話は見応えがあります」と感想を書き留めています。
 「デジログからあなろぐ」サイトの吉俊さんも「主人公の女性を取り巻く物語というか、設定というか・・・に大変引き込まれまして、演じられていたおもちゃさんの雰囲気の良さも相俟って大変お気に入りでした」と褒めていました。その上で劇団の特質を「机上風景の舞台は、リアルを装い、シリアスを道具して、それこそを娯楽として提供するものでありました。リアルとは書いてあるけれども、現実をリアルに描き出していくという訳ではなくて、どちらかというと虚構であり作られた世界をリアルな言語で語っていくという舞台」と要約していました。

 机上風景のWebサイトに作者の高木さんが次のように書いています。

最後まで、いちども顔を合わせない男女の恋愛ものをやってみたかった。ひと言で言ってしまえばそれで終わりなのだが、それはべつに既成の恋愛ものに不満があるとか、自身の恵まれない恋愛体験を投影したいとかいうわけではなく(事実恵まれてないが)、なにごとに対しても不器用な人びとを描いてみたいと思ったからにすぎない。

 会場となった新宿タイニイアリスのwebサイトに、座付き作家の高木登さんのインタビューが掲載されています。その中で高木さんが「『ラブストーリー』という看板に偽りなし、『複雑な愛の記録』というタイトルにも偽りなし。悲劇的な結末かハッピーエンドかは見てのお楽しみ、というところでしょうか」と言っていました。これもリアルな表現だと思います。

(追記 2005.6.30)
 「観劇インプレッション」サイトの「#10」さんは、ストーリーの特質を次のようにまとめています。

 特殊能力ゆえに普通ではない感性を持っているはずの主人公だが、その行動はとても率直な感情にもとづいており、なぜか共感できる。そして彼女は恋をしている、あるいは恋をしているつもりになっている。正常ではないけれど素直な姿勢で愛を伝えようとする。
 しかし姿を見ることができても心まで読むことはできない。彼女の恋は悲劇で終わるが、ラストシーンは不思議と美しい印象を受けた。

[上演記録]
机上風景「複雑な愛の記録」
新宿タイニイアリス、6月14日-19日

【作】 高木登
【演出・出演】古川大輔
【出演】平山寛人/おもちゃ/浜恵美/川口華那穂/坂口哲

【舞台監督】 伊丸岡慎
【照明】 千田実
【音響】 堀越竜太郎
【宣伝美術】 佐藤友香
【写真撮影】 イナヤマミツハル
【制作】 又木恭一郎


投稿者: 北嶋孝

ワンダーランド代表

「机上風景「複雑な愛の記録」」への4件のフィードバック

  1. 机上風景『複雑な愛の記録』

    新宿タイニイアリスに机上風景の第11回公演「複雑な愛の記録」を観に行って参りました。 「リアルな演技、シリアスなエンタテインメント」を標榜する机上風景の舞台は、リアルを装い、シリアスを道具して、それこそを娯楽として提供するものでありました。 リアルとは書い…

  2. 初めまして、「複雑な愛の記録」時子役のおもちゃと申します。先日は劇場にお運び頂き、ありがとうございました。

    まだまだ未熟者ですが、より一層の深みを目指して精進いたします。といいつつも割とだらだらした生き物でもあります。何卒今後ともよろしくお願い致します。

  3. こんばんは(こんにちは/あるいは、おはようございます)。楽日に、開演時間を間違えて遅刻してしまいました。スミマセン。後半をみただけですが、透視能力を持ったために翻弄される運命の女性の、密やかで切ない愛情が舞台から伝わってきました。ネット上の書き込みでも、おもちゃさんの演技に深い関心が寄せられていると思います。ご活躍を願っています。
    ところで、どこかの劇団に所属に所属されているのでしょうか。これからの出演予定を教えていただけるとありがたいのですが…。

  4. 北嶋様、丁寧なレスありがとうございます。お返事が遅れまして申し訳ありません。

    現在はフリーで活動しております。舞台については、年内はスケジュールの兼ね合いで見合わせておりますが、来年以降またご縁があれば出演させて頂きたいと考えております。年内はインディース映画や音楽活動を中心に展開してゆく予定です。

    よろしければ、拙サイトに出演予定など掲載しておりますので、ご覧くださいませ。また、舞台に出演の際は是非お知らせ申し上げたいと思っております。よろしくお願い致します。

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