MIKUNI YANAIHARA Project「3 年2 組」

 会場となった吉祥寺シアターのWebサイトによると、「ダンスや演劇の枠組みを超えた舞台作品のこけら落とし公演」。パフォーミング・アートカンパニー『ニブロール』の主宰であり、振付家として共同制作してきた矢内原美邦が、個人プ … “MIKUNI YANAIHARA Project「3 年2 組」” の続きを読む

 会場となった吉祥寺シアターのWebサイトによると、「ダンスや演劇の枠組みを超えた舞台作品のこけら落とし公演」。パフォーミング・アートカンパニー『ニブロール』の主宰であり、振付家として共同制作してきた矢内原美邦が、個人プロジェクトとして「MIKUNI YANAIHARA Project」を始め、ダンスや演劇という枠組みを超えて一人の演出家としての色をより濃く反映させた新たな舞台作品、とのことでした。
 「しのぶの演劇レビュー」は「セリフが有るダンスだし、ダンスが有る演劇でした。『ダンスや演劇の枠組みを超えた舞台作品』というのに納得です。ニブロールが初見だということを別にしても、私が今までに観たことのない種類の作品だったように思います」と述べ、「演劇好きの私には少々とっつきにくいこともあったのですが、ラストには感動していました。あぁ~・・・なんか、いい意味でプチ・ショック。凄い人がいるもんですね」と矢内原パフォーマンス初体験の感想を語っています。


 「デジログからあなろぐ」サイトの吉俊さんも、ステージの「圧縮」される言葉とエネルギーに圧倒されたようです。

90分の作品でしたが、肉体と台詞の濃密さといったら3時間分ぐらいのお芝居の内容を90分に圧縮されているのではないかという感じです。あの台詞量を覚えているというのが凄い、意味の繋がりが希薄で会話の体をとらないそれ・・・倍速で吐き出される言葉・・・演者の力量に敬意、そして数多くいる役者が如何にその場所に甘えているかということが頭をよぎる。
動かし続けられる肉体による身体表現、そして捲くし立てられるように語られる言葉・・・この怒涛の表現に身を委ねて、その空気に漂うだけで、不思議と感動できてしまうのです。

 ダンスをみてきた人にとって、演劇サイドの感じ方とはややニュアンスが違っているようです。ニブロールの活動もフォローしてきたと思われる「Sato Site on the Web Side」はやや冷めているようです。

猛烈なスピードとパワーで押しまくるダンサー達を見ていながら、このスピードとパワーに体が巻き込まれせき立てられ、いても立ってもいられなくなって体中で泣いてしまう、などということは、なかった。冷静に見ていられるのだ。それは多分、一定のパワー、一定のスピードにあらゆるダンサーがせき立てられていたことによるのではないか、と考え、だとすれば、あのとき見ていた舞台はまるでビデオの早送りのようだったと、今にして思う。(略)ここにあるマッシヴなエネルギーに感動してしまう自分を否定できない反面、その感動の割合の小さいことがむしろ気になった…

【追記】2005.08.056
 ニブロールの矢内原美邦によるプロデュース公演「3年2組」に関して、「中西理の大阪日記」サイトが鋭い指摘をしています。身体と言葉の関係が取り上げられる舞台がこれから多くなりそうですが、中西さんの指摘はこの問題を考えるひとつの勘所をとらえているように思われます。>>

[上演記録]
MIKUNI YANAIHARA Project Part1「3 年2 組
吉祥寺シアター(7月15日-18日)

作・演出・振付 : 矢内原美邦
映像 : 高橋啓祐
音楽 : スカンク(MEXI)
衣装 : 広野裕子
出演 : 足立智充、稲毛礼子、上村聡、鈴木将一郎、関寛之、渕野修平、三坂知絵子、矢沢誠、山本圭祐

投稿者: 北嶋孝

ワンダーランド代表

「MIKUNI YANAIHARA Project「3 年2 組」」への1件のフィードバック

  1. [演劇]矢内原美邦プロジェクト「3年2組」

    MIKUNI YANAIHARA project「3年2組」(吉祥寺シアター)を観劇。  ニブロールの矢内原美邦によるプロデュース公演。確かに台詞はあるけれど普通の意味での演劇公演でもないし、ダンス公演ともいえない。そういう意味ではあえていえば「パフォーマンス」なのだろうけれ…

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