今年も終戦の夏を迎えます。間近に迫ってからの紹介ですが、14日(月)夕、「非戦を選ぶ演劇人の会 ピースリーディングvol.9」が東京・新宿の全労済ホール(スペース・ゼロ)で開かれます。米国などのイラク戦争を契機に始まったこの企画も9回目。構成・演出は渡辺えり子さんです。第一部「動物たちが消えた日」リーディングは、戦時下の動物たちの姿を、人形とマイムと歌と音楽を交えて描く、渡辺えり子さんの新作。対談「井上ひさし×渡辺えり子」を挟んだ第二部は、昨年12月に上演した、1941年12月8日の真珠湾攻撃・開戦前から敗戦までの人々の姿を描いた「日本の戦争」再演です。
中東では現在進行形で、イスラエルのレバノン侵攻作戦が続いています。イスラエルの侵攻理由は「自衛のため」です。戦争はいつも「自衛」を根拠に始まるという歴史を繰り返しているのでしょうか。これに明確に「NO」と宣言しているのが、東京国際芸術祭(TIF)ディレクターの市村作知雄さんです。理事長を務めるNPOアートネットワーク・ジャパンのwebサイトで2度にわたって「緊急声明」を出して「国家のテロ」を許し難い行為と非難していますが、しかし「国家がいかに戦争をしようとも、アーティストやアート機関は常にコミュニケーションをしつづけることが重要」と付け加えています。
中東の劇団をこのところ連続して招聘し、特にレバノンの劇作家・演出家スレイマン・アルバッサームらと共同制作の作品を発表するなど、現地のアーチストとの交流を踏まえた発言だと思われます。wonderland のインタビュー「文化や価値観のぶつかる地点から新しい演劇が生まれる」でも「現実は変えられる」という感覚の重要性を指摘していました。超ロングインタビューですが、ぜひご一読ください。
【関連情報】
・非戦を選ぶ演劇人の会 http://hisen-engeki.com/
・NPOアートネットワーク・ジャパン http://anj.or.jp/