週刊マガジン・ワンダーランド第11号発行

週刊マガジン・ワンダーランド第11号が10月11日、発行されました。今週号も力作が並びます。『「骨肉相食む魂の西部劇」をみて「場外劇場」の主役をさらう』(佐々木眞)は芝居自体が劇中劇のように構成され、レビューのお上品な枠組みを食い破る破格の文章です。

「筆者紹介」で触れていませんが、佐々木さんは広告・宣伝の世界で名の知られたコピーライターでした。某アパレルメーカーの宣伝部長を最後に転身。書き手としての才能に磨きがかかってきたようです。マクドナーの前作公演のレビューもwonderland に掲載しています。また戯曲は芦沢みどり訳が「悲劇喜劇」2006年11月号に掲載されています。併せてご覧ください。そうそう、公演は18日まで続きます。ご興味のある方はぜひ、お運びください。

ゴキブリコンビナート「アンドロゲン・レインボー」公演は会場にとんでもない仕掛けがあったようです。その仕掛けに身をさらす筆者西村博子さんの旺盛な好奇心と柔軟な精神に脱帽です。また後藤隆基さんから『夢の痂』(作・井上ひさし、演出・栗山民也)評をいただきました。井上作品を以前からフォローしている本格派の力作です。文学座付属演劇研究所研修科発表会『天保十二年のシェイクスピア』(作・井上ひさし、演出・松本祐子)の評も10月2日付でwonderland に掲載されています。これまでの公演評も併せて読んでいただければ、視界の広さと深さが分かるのではないでしょうか。
「エジンバラ演劇祭」第2回でインターナショナル・フェスティバルをひとまず終わり、次回はフリンジの紹介に入る予定です。ご期待ください。

ということで、今週はボリュームたっぷりの「マガジン・ワンダーランド」になりました。連載「残日抄」は次号回しにします。ご了承ください。

次号(第12号, 10月18日発行)は、中野成樹&フランケンズ「暖かい氷河期」(柳澤望)、「TOKYO SCAPE を終えて(仮題)」(詩森ろば)、「エジンバラ演劇祭2006 - 3」(中西理)、「千秋残日抄第5回-青い鳥が告げる時」(北嶋孝)ほかを予定しています。ご期待ください。
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以下、第11号の目次です。

【目次】
◆演劇集団円「ロンサム・ウェスト」(マーティン・マクドナー作)
「骨肉相食む魂の西部劇」をみて「場外劇場」の主役をさらう
佐々木眞
◆ゴキブリコンビナート「アンドロゲン・レインボー」
不条理を引き受け しぶとく生きる 崩壊寸前空間を最大限に生かす知恵
西村博子
◆新国立劇場『夢の痂』(作・井上ひさし、演出・栗山民也)
「述語」を「主語」に
後藤隆基
◆エジンバラ演劇祭2006 - 2
ナンセンスなコントシーンで見せる「死」 Anthony Nielsonの「Realism」
中西理

■web wonderland から=http://www.wonderlands.jp/
◇横浜でアート講座「梅若猶彦の世界」[ニュース&報告]
◇別役実作「壊れた風景」(組曲「二十世紀の孤独」第三楽章)[特別寄稿]
責任も無責任もありえないような状況がありうるということについて(竹内
孝宏)
◇エジンバラ演劇祭2006 - 1 [特別寄稿]
リヨン・オペラ座のブレヒト=クルト・ヴァイル2本立てが白眉(中西理)
◇演劇資料を無料公開 にしすがも創造舎に「舞台芸術アーカイブ」[ニュー
ス&報告]
◇文学座付属演劇研究所研修科発表会『天保十二年のシェイクスピア』(作・
井上ひさし、演出・松本祐子)[後藤隆基]
◇演劇資料を無料公開 にしすがも創造舎に「舞台芸術アーカイブ」[ニュー
ス&報告]
◇庭劇団ペニノ「アンダーグラウンド」[特別寄稿]
「庭」が可能にするリアルな妄想の感触(木村覚)
◇蜻蛉玉「へ音記号の果物」[特別寄稿]
果実の香り立ち上る 五感で描く女と生命の姿(葛西李奈)
◇前田司郎作・演出「ノーバディ」(演劇計画2006)[特別寄稿]
この舞台はちょっと凄いぞ 身体表現の新次元を開示(藤原央登)
◇H・アール・カオスの大島早紀子インタビュー [ページ紹介]

【おわびと訂正】
「マガジン・ワンダーランド」の次号予告で、詩森ろばさんの名前が間違っていました。おわびして訂正します。
また一部に文字化けが生じていました。これから再掲する各レビューは化けないように注意します。

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