演劇千年計画ワークショップ第2弾

 「演劇千年計画」プロジェクトが今年9月に8人の演出家による創作ワークショップを開きましたが、その第2弾を11月15日-25日の日程で開くそうです。今回講師となるのは、大岡淳(商品劇場)、倉迫康史(Olt-d.d)、鳴海 … “演劇千年計画ワークショップ第2弾” の続きを読む

 「演劇千年計画」プロジェクトが今年9月に8人の演出家による創作ワークショップを開きましたが、その第2弾を11月15日-25日の日程で開くそうです。今回講師となるのは、大岡淳(商品劇場)、倉迫康史(Olt-d.d)、鳴海康平(第七劇場)、矢野靖人(shelf)、山田裕幸(ユニークポイント)、横山仁一(東京オレンジ)の6人。前回に引き続き、題材テキストはシェイクスピア『ロミオとジュリエット』 を使い、今回はバルコニーのシーンのみを選択。最終日11月26日の発表会で、各講座の成果が一挙に上演されます。申し込み締め切りは11月10日。詳しい内容は応募方法などは、演劇千年計画のwebサイトで。

 9月に開かれたワークショップは、『ロミオとジュリエット』から8つのシーンが各講座に割り当てられ、その成果が上演されることによって作品の流れが分かると同時に、各演出家のスタンスや手法が明らかになるという試みでした。

 9月成果発表会はどうだったのでしょうか。ネット上をみると、このワークショップに触れた書き込みはあまり目に付きません。wonderland 執筆メンバーの柳澤望さんが各演出家の発表を個別に取り上げ、テキストの扱いと演出に「メタ演劇的なアプローチ」が多かったと指摘して次のように述べています。

メタ演劇的な処理が目立ったということは、短期間で戯曲を消化し切れなかった、という事情の反映でもあるのかもしれないけど、そこには、翻訳劇につきものの消化しきれなさというのも露呈していたような気もする。それはきっと西洋演劇を摂取してきた歴史の上にある新劇以降の今の演劇の状況の消化しきれなさということとも通じるもののようだなあと思ったりした。
まあ、でも、そういう大げさな感想とは別に、ワークショップの発表会として、戯曲に取り組む姿勢そのものを舞台化する結果となった、ということなのかもしれない。
ある種、演劇への反省的姿勢が自覚的に打ち出されている、ということなら、それは日本の演劇史の批判的な継承への意志が舞台化されていたということかもしれない。
でも、演出という技法を自覚的に用いることが、上演史への注釈みたいな翻案を避けられなくて、戯曲とか演技術とかというものに対して絶えず一定の距離を置かざるを得ないものとなるとしたら、良く言えばマニエリスムになるだろうけど、下手をすればマンネリに堕す、ということになるよなあとか思わないでもなかった。
白鳥のめがね

 講師の一人であるユニークポイント山田裕幸さんが自分のブログ(Gekisaku no HIBI !!)で語っているように、このワークショップ方式は、今年6月に開かれたTOKYOSCAPE ワークショップの試みを踏襲しています。TOKYOSCAPEワークショップの共通テキストは鈴江俊郎作「髪をかきあげる」でしたが、取り上げる場面は各演出家に任されていたため、演出家の個性がよりきわだった形で見えていました。具体的な様子は「しのぶの演劇レビュー」に詳しいのでご覧いただくとして、このとき見た中で、詩森ろばクラス(風琴工房)と明神慈クラス(ポかリン記憶舎)の対照的なパフォーマンスが強く印象に残っています。

 詩森クラスはことばを身体に取り込んでいくプロセスを、内側からたどっているようにみえました。期間が短く、成果発表を目指して形を作っていたようにも見えないので、動きが外見的にはまとまっていません。しかし、参加者たちがことばを身体化しようとしする動きが確実に伝わってきました。
 明神クラスは想定されたある型のイメージに向かって、全員がどのように造形するかという方向が浮き彫りになったパフォーマンスでした。イメージの共有を基に、到達型のどの部分を担うかという指示が明瞭なのでしょう。美的造形的完成度は抜群でした。
 内側から、外側からという指示方向の差ではなく、ワークショップで教わる/教えるという基本的な考え方や感じ方の違いがそのまま手法とスタイルの違いに現れたような気がします。
 これはあくまでワークショップでの出来事です。2人が主宰する劇団の舞台を数多く見ているわけではないので、演劇手法に直結している差異なのかは分かりません。

 複数講師による合同ワークショップ、成果発表会というTOKYOSCAPE方式は、これからも見所が多いのではないかと考えています。多様な形態が試され、経験の厚みが共有されてほしいと願っています。11月26日のワークショップ成果発表会が楽しみです。

【関連情報】
・演劇千年計画 http://sennenkeikaku.net/
・白鳥のめがね http://d.hatena.ne.jp/yanoz/20060923/p1
・しのぶの演劇レビュー http://www.shinobu-review.jp/mt/archives/2006/0628005653.html
・Gekisaku no HIBI !! http://uniquepoint.air-nifty.com/blog/2006/09/post_e916.html


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