仏団観音びらき「宗教演劇」

「宗教演劇」公演チラシ大阪の劇団「仏団観音開き」の東京公演(10月14日-15日、新宿タイニイアリス)は爆笑、興奮の渦だったようです。「仏団」はその後、横浜で開かれた「ぶたばん2006」(10月28日-29日)というライブイベントに劇団鹿殺し、毛皮族、宇宙レコードらと一緒に出演するなど知名度を上げています。遅れ遅れですが、アリス公演のレビューがいくつか載っているので紹介しましょう。

新宿タイニイアリスのAlice’s Review サイトに掲載されているのは、wonderland 執筆メンバーでもある青柳舞さんのレビュー。「この作品を見終わって、『ニクイぜ!! あんちくしょう!! あぁオイラのハートが奪われた!! 』と叫びたくなった。ここまで、褒めたのだからもっと褒めてしまおう。むしろ讃えるぐらいに。 この頃たくさんのご縁があってたくさんの劇団の芝居を見る機会に恵まれている。が、その中でも観音びらきは私の心にメガヒット!! 一生の中で三本の指に入るほどだ。何度でも見たい。そんな劇団に出会えたのは本当に幸運で幸せ」とボルテージが上がります。批評の針が振り切れているのではないかと心配です。辛口で知られる飯塚数人さんも同じサイトで取り上げ「鉄割アルバトロスケットとならぶ新世紀カルト演劇の旗手として、今後を大いに期待したい」と書いているのもこの劇団のパワーを示しているのかもしれません。

演劇人のバイブル『ガラスの仮面』のパロディと見せ掛けて演劇界のダークサイドを鋭くえぐる問題作。本当の自分を表現する為に始めた演劇でいつしか自分を見失った迷える子羊達を描く究極の自虐演劇!-こんなキャッチコピーがありました。公演チラシをかいつまんで紹介すると、次のようになるようです。
主人公は魔夜峰子38歳独身(=北島マヤ)。月影千草に見出され、劇団月影に入団するが、そこは演劇を利用した宗教団体だった…。「劇団内では厳しいカースト制度がしかれ」「閉鎖的な世界に依存しながら」「明日のスターを夢見て」「間違ったメソッドを繰り返す」人々(=亜弓や桜小路ら)が大活躍する。「怪しいタレント事務所や養成所、営利目的の劇団にひっかかり、多額のレッスン料やチケットノルマに来るシム演劇人の姿をガラスの仮面のパロディー」にしたとあるから、身に覚えのある関係者もいるかもしれません(笑)。

playnote.net」サイトも針が振り切れてはいませんが、「次も必ず行きたいと思える稀有な劇団」などとめいっぱい振れていますね。こんな感じです。

妙に体のキレがよくて宝塚ばりの濃いメイクを施した役者たちがくっだらねーギャグをやりまくる、テンション120%のすごい劇団。元ネタがあの「ガラスの仮面」、そう、そもそも原作がギャグ漫画すれすれのあの超名作を、よりコントよりにアレンジしているのだから、ギャグの破壊力がとんでもないことになっていた。月影先生役の男優が、飛び回し蹴りしたりバク宙したりしながら「マヤ!」と叫びツッコむ姿は圧巻。チケットノルマに苦しむマヤ、バイトを掛け持ちして劇団費を納めている桜小路、ばりばりのヅカメイクに「エリート」と書いた安っぽいタスキをかけた亜弓…。げらげら笑った。

「女囚さちこ~ブス701号怨み節」「女殺駄目男地獄」に続くの東京公演第3弾は劇団のレパートリーともいうべき作品でした。ぼくは今回も出かけられませんでした。スミマセン。次回はきっと…。

【公演記録】
仏団観音びらき第6回公演「宗教演劇」
アリスフェスティバル2006
新宿・タイニイアリス(10月14日-15日)
<作・演出>本木香吏
<出演>
峰U子・水津安希央・本木香吏・ゆであずき
<ゲスト>
萬知明(劇団ウエスト)
藤原新太郎(TEAM-DARK-BLUE)
東口善計
酒井謙輔(グリッドロックペペロンチーノ)
高橋麻衣・青木瑞敬(自分支部)
ながたしゅん 濱崎右近
宮奥雅子  立本恭子
<スタッフ>
舞台監督/酒井謙輔(グリッドロックペペロンチーノ)
音響/安藤通康
照明/松田早織(㈱アイ・エス・エス)
宣伝美術・写真/堀川高志(kutowans studio)
衣装/堀家和代
小道具/ゆであずき
プロデュース制作/福田祐子
協力/タイニイアリス 自分支部
グリッドロックペペロンチーノ
サラマンドラ・エンターテイメント
Duck Soup

【関連情報】
・アリスインタビュー<本木香吏さん、峰U子さん> 仏団観音開き「宗教演劇」(10月14日-15日)「ガラスの仮面」が宗教とリンク 楽しめる東西のネタも満載

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