東京国際芸術祭2007は2月1日から

 東京国際芸術祭2007が2月1日から3月30日までの2か月間、東京のにしすがも創造舎を中心に開かれます。国際的なつながりや社会性を強く意識して、今年もアメリカ現代戯曲のドラマリーディングを続け、中東シリーズではレバノン … “東京国際芸術祭2007は2月1日から” の続きを読む

 東京国際芸術祭2007が2月1日から3月30日までの2か月間、東京のにしすがも創造舎を中心に開かれます。国際的なつながりや社会性を強く意識して、今年もアメリカ現代戯曲のドラマリーディングを続け、中東シリーズではレバノンから世界のアート界に旋風を巻き起こすアーティスト、ラビア・ムルエによる世界初演の新作をプロデュースするほか、チュニジアのファミリア・プロダクション(「囚われの身体たち」)、ウズベキスタンのイルホム劇場(プーシキン原作「コーランに倣いて」)、アイルランドのドルイド・シアター・カンパニー(J・M・シング作「西の国のプレイボーイ」)を招聘。国内ではレジデントアーチストの倉迫康史、阿部初美、高山明(ともに演出家)の作品を提供します。
 またベケットの生誕100年を記念して、彼のラジオ台本2作品をチェルフィッチュの岡田利規と阿部初美の2人が公開収録し、ネットラジオで配信する試みも話題を呼びそうです。

 従来のリージョナル・シアター(財団法人地域創造との共催)は地方劇団の東京公演という形式から、地域の演出家の創作・育成とリーディング部門に衣替えしました。

 同芸術祭は前身の「東京国際演劇祭」を含めて13回目。国際的な芸術祭、演劇祭はヨーロッパのほか、近年アジアでも盛んになり、上海、ソウル、シンガポールなどでは公的な枠組みで大がかりに開かれています。東京国際芸術祭は2000年以降はNPO法人アートネットワーク・ジャパンが主催。予算規模も小さく、意欲的な企画も財政事情で難しくなっているようです。同芸術祭ディレクターの市村作知雄さんは開催の「あいさつ」で、「国や地方自治体、企業の恒常的な大きな助けなくしてはもう先に進むことができません。東京国際芸術祭2007は、それを訴えるために開催すると言っても過言でありません」と述べています。「世界」を視野に入れつつ、「社会」を絶えず参照する芸術作品を制作・発信してきた人の発言は切実です。切迫した状況の「信号」とみるべきなのかもしれません。

 東京国際芸術祭2007の上演作品は以下のとおりです。詳細は公式サイトをご覧ください。
http://tif.anj.or.jp/

Ort-d.d『肖像 オフィーリア』構成・演出:倉迫康史
アメリカ現代戯曲&劇作家シリーズvol.2 ドラマリーディング
(日本+アメリカ)
飛ぶ劇場『正しい街』作・演出:泊篤志
◆『アトミック・サバイバー -ワーニャの子どもたち-
構成・演出:阿部初美
◆『雲。家。』作:E・イェリネク 構成・演出:高山明
◆イルホム劇場(ウズベキスタン)
プーシキン原作「コーランに倣いて」
◆ドルイド・シアター・カンパニー(アイルランド)
西の国のプレイボーイ
◆ファミリア・プロダクション(チュニジア)
囚われの身体たち』(仮題)
◆スリーポイント・プロデュース ベケット・ライブvol.8
伴侶』演出:三浦基
◆ラビア・ムルエ(レバノン)
新作・世界初演(タイトル未定)
ベケット・ラジオ『残り火』演出:阿部初美
『カスカンド』演出:岡田利規
◆リージョナルシアター・シリーズ
●創作・育成プログラム部門
浮力』作・演出:北川徹(札幌)アドバイザー:宮城聰
●リーディング公演部門
芝居工場わらく(成田)作:岩脇忠弘/演出:勝俣稔 アドバイザー/佃典彦
魚灯(京都) 作・演出:山岡徳貴子 アドバイザー/岩松了
南船北馬一団(大阪) 作・演出:棚瀬美幸 アドバイザー/北村想
F’s Company(長崎) 作・演出:福田修志 アドバイザー/平田オリザ

◆問合せ
東京国際芸術祭 Tel.03-5961-5202 tif@anj.or.jp
http://tif.anj.or.jp

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