岸田戯曲賞に柴幸男さんの「わが星」

柴幸男さん
撮影=高橋エイジ©

新人劇作家の登竜門といわれる岸田國士戯曲賞(白水社主催)の第54回受賞作に、柴幸男さん(27)の「わが星」が選ばれた。正賞は時計、副賞は二十万円。授賞式は4月12日(月)午後6時から東京神楽坂の日本出版クラブ会館で開かれる。
「わが星」は最終選考に残った7作品から、8日に開かれた選考会で選出された。

「わが星」はある女の子と家族の一生が、宇宙や太陽系の誕生と移り行きに重ね合わされ、生命と時間が詩的に描かれる作品。選考委員の一人である劇作家の永井愛さんは白水社のwebサイトに掲載したコメントで「この遠近法には、詩的な試みがある。柴幸男さんの『わが星』は、戯曲が言語による建築物であることを改めて思い起こさせた。宇宙と地上の往復をこのような形で可能にした設計師の登場を歓迎する」と述べている。
柴さんは愛知県出身。日大芸術学部卒。2004年第2回仙台劇のまち戯曲賞」大賞受賞。2007年劇作家協会東海支部プロデュース「劇王IV」で優勝(4代目劇王)。平田オリザさんが主宰する劇団「青年団」の演出部所属。その傍ら劇団「ままごと」を主宰。

最終候補作品は次の通り(作者五十音順、敬称略)。

・江本純子 『セクシードライバー』 (上演台本)
・神里雄大『ヘアカットさん』 (上演台本)
・柴幸男『わが星』 (上演台本)
・野木萌葱 『五人の執事』 (上演台本)
・福原充則 『その夜明け、嘘。』 (上演台本)
・前川知大『見えざるモノの生き残り』 (上演台本)
・松井周『あの人の世界』 (上演台本)

[選考委員] 井上ひさし・岩松了・鴻上尚史・坂手洋二・永井愛・野田秀樹・宮沢章夫(五十音順・敬称略)

【関連情報】
岸田國士戯曲賞(白水社)
ままごと(柴幸男主宰)

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