名古屋の小劇場演劇の様子をウオッチするとき、「しおこんぶ」さんの「観劇の日々」サイトは欠かせません。最近、能劇「姥捨-OBASUTE-」公演を取り上げ、「日本的な侘び寂びを強く感じる良質の舞台でした。引き際の美しさとでもいうのでしょうか、万物の霊長たる人としての誇りや叡智があり、積み重ねられた落ち着きによって融和されていく、理想の年寄り像がそこにあった気がします」と評価していました。
作、振り付けの原智彦はロック歌舞伎「スーパー一座」の座長。「なにげにひたすら、ただただお山へ参る婆をものすごく美しく踊ってみたいと思い」「(元たまの)知久寿焼の音にゆられ、ふらり私はお山参る」という趣向です。
4トンの流木と3,000足のビーチサンダルで作られた空間。「日頃忙しくしている人にこそ観て欲しい舞台。お勧め度8(10段階)」と述べています。
[上演記録]
◎能劇「姥捨-OBASUTE-」
KDハポン(KDJapon)
4月15日から5月1日まで変則10日間公演
作・振り はらともひこ
出演:
婆-ババー・男 原智彦
少女 茂手木桜子、夕沈
息子 野畑幸治
ムシ ムシムシガールズ・ムシムシボーイズ
スタッフ:
音楽 知久寿焼(元・たま)
舞台美術 岡部玄
宣伝美術・演出協力 天野天街
衣装 久野周一
映像 木下竜太
音響 森田太朗
制作 小瀬木いづみ、渋谷紘子、ハポンフェスproject
TBありがとうございます。
この舞台は空間も音楽も見事にマッチしていて素晴らしかったです。
言葉ではなくイメージで語りかけてくれるといった感じでとても癒されました。
読んでいて、イメージの広がるレビューでした。最近はことばや身体の表現が自在になって、演劇やダンス、パフォーマンスの境界が滲んきているようです。もともとその区別立てが怪しかったのかもしれません。今回の「能劇」にそんな緩やかで自在な雰囲気を感じてしまいました。