はえぎわ「ハエのように舞い 牛は笑う」

10 観客に持ち帰ってもらうものを考える(関島弥生)

「はえぎわ」は劇団の名前。
中心になっているのが作家、演出家、俳優のノゾエ征爾さん。
さてノゾエ征爾さんとは何者か。ノゾエ征爾(のぞえせいじ、と読む)さん。1975(昭和50)年7月2日生まれ、
卯年、39歳。岡山県出身とあるが、学校は神奈川県横浜市のサレジオ学院中学校と高校に。
神奈川で育ったとしてもおかあさまの実家が岡山で里帰り出産したら岡山県出身になっちゃうこともあるのでそのへんは不明。
そこへ8歳までサンフランシスコで育つとウィキに。だからサレジオ? サレジオ学院はカソリック系の男子高である。ふむふむ男子高。
カソリック系からプロテスタント系の青山学院大学経営学部に進学。
ENBUゼミナールの松尾スズキゼミを経て(ここでもENBUゼミ出てくる。昨今ENBUゼミ出身の活躍すごいっす。ご自身も今ではENBUゼミで指導)、
1999年にユニット「はえぎわ」を立ち上げ、2001年に劇団化。全作品の作&演出を手掛けている。
2012年「◯◯トアル風景」で第56回岸田國士戯曲賞受賞。自身も俳優としてテレビドラマ、映画、CMに出演。外部演出も多々。
業界でばっちり生きている。

はえぎわ27回公演「ハエのように舞い 牛は笑う」作・演出=ノゾエ征爾
東京芸術劇場シアターイースト で全11ステ。
チラシは一面の肉のアップにハエがたかっている写真。なので真っ赤なチラシ。
牛は笑う、とあるのでおそらく牛肉でしょう。劇団としては15周年だそうです。

私は今回、初見の「はえぎわ」。
入り口で渡されたチラシの束は大げさでなく2センチはあり、東京芸術劇場ということもあるのだろうが、
お、この劇団は私が思う以上に人気なのね、とその人気ぶりもうかがいながら。
客席はABC列つぶしてのDから。EとFの間に通路がある。私はG列だったので実質4列目。
16番なのでどセン。紫のバラのひとが座るような席なのでラッキー♪なのだが隣の女性の香水がきつい。
少々寝不足気味で2時間の上演時間(予定)がもつか心配なところなので不安要素があるともっと心配。
マックシェイクで糖分(エネルギー)補給してきたけども。

舞台美術はほとんど素舞台に近く、奥には障子のように見える表面が紙っぽいパーテーション。
上手(かみて、舞台に向かって右側)の端には音響ブースのような楽器置き場のような。パソコンもある。
下手(しもて、舞台に向かって左側)の端にはウッドベースが目立つ。ここも楽器置き場?
生演奏かと想像がつく。ちょっとわくわくする。
客入れの音楽はウクレレの入った民族音楽っぽいようなポップなような。
前説(観劇の際の注意事項など)は録音でノゾエさんと井内ミワクさん。

今回の設定はですね。映画のロケで村興しをしている島の人たちの話。
親子や兄弟を中心としてそこに自治体も絡む人間関係などなどの話。映画のロケを受け入れて、島民がエキストラもする。
ゾンビ映画では、それはみごとなゾンビぶりだったり。ゾンビは芝居中にもいつもそこここに。

姉と妹が出てくる。姉はいつまでたっても牛乳が飲めない。
姉はぶさいく。生理の血をズボンに染み出させる。下痢のうんちも漏らしてズボンに染み出させる。
舞台で初めて見た生理の血の沁み込んだとされたズボン。生理の血のついたとされるナプキンを額に張り付けたキョンシー。
風刺でもないし、滑稽でもないし、意味を見いだせず不快感だけ残る。自販機のおにいさんは自販機のめんどうをみる。缶がいっぱい。
舞台は前側が低めで奥が高めで斜めになっており、舞台の上に散乱する缶はすべて舞台つらに作られた溝に落ちていくのでかなりの斜めさだとわかる。
この溝は人が落ちたり物が落ちたり人が飛び込んでいったり、何か出てきたり。物が落ちていくときは滝のように落ちていく。
溝がからむシーンになるとなかなかおもしろく観れた。客席を3列つぶしただけはあるかも。

照明が白っぽく明るめなのもあって雰囲気も明るく感じられる。のんびりしたほのぼのした雰囲気もある。よく言えば。
舞台奥の白いパーテーションは案の定スクリーンになり、影が映る。スクリーンで影は昨今の流行りかな。見慣れた感じ。
おかあさんは洗濯ものをたたみながら舞台の端にずっといる。おかあさんはいつもみんなのことを見守っている。
おとうさんは記憶がないのでいろいろ忘れている。そして自分だけで生きている。子どものことはおかあさんが守っている。
おとうさんは好き勝手やっていておかあさんがしりぬぐいする。
現代社会の悪いほうの縮図で熟年離婚の元である。結局、男性演出家の母賛歌か。
何でも言うこと聞いてくれて何でも許してくれる母親像。最近多くて食傷気味です。

ラスト近く、島は活火山が噴火してなんだかわあわあする。そしてなんだか祝祭ムードで終わる。
祝祭ムードで無理やり終わらせた感じ。最後まで何を言いたいのか私の脳みそにせまってこないまま。
エピソードが細切れで今イチつながってなかったからかもしれない。
生演奏も効果があるんだかないんだかよくわからず、しっくりこなかった。どこがハエだかどこが牛だか。
舞台の上の事柄は自分の体験につながっている。それは作るほうも体験が占めるだろうし、
観るほうも舞台の上で起きたことを自分の経験に照らし合わせて観ている。
いいことにつながればいい気持ちで帰れるし、わるい思い出とつながれば帰りの気持ちは暗いか重い。
2時間経つうちにそのすり合わせにちょっと飽きてきた。飽きてきたうえにズレてきた。

観客に何を持ち帰ってもらうのか。
はえぎわが好きという役者さんがちょうど観に来ていたので終演後につかまえて聞いてみた。
これっていつものはえぎわ? そしたらけっこう「はえぎわ調」だとのこと。「はえぎわ調」。ふーん。(2014年8月26日19:00の回観劇)

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