◎劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース2014 第3回 報告と課題劇評
劇評を書くセミナー2014の第3回を9月13日に開催しました。劇評の課題公演ははえぎわの「ハエのように舞い 牛は笑う」です。前回に引き続き、こちらの回もキャンセル待ちが出るほどの人気で、聴講も含め17人の方が参加しました。
講師は元「新劇」編集長でライター&エディターの岡野宏文さん。まず最初に岡野さんの考える劇評を書く上でのポイントが披露されたのち、提出された劇評についての個別の質問やコメントへと続きました。
複数の劇評について、その柱となるフレーズが最後まで解消されないことを「勿体ない」と言っていた岡野さん。この劇評で何が書きたいのか、知りたいのかを設定し、そのことをあくまでも芝居の中から考えること。これを繰り返し語っていたほか、類語辞典の使用をすすめるなど、劇評執筆で具体的ですぐに取り入れられるヒントに満ちた2時間半でした。
筆者の了解が得られた劇評を掲載します。(編集部)
課題公演:はえぎわ「ハエのように舞い 牛は笑う」
日時:2014年9月13日(土)14:00-16:30
会場:東京芸術劇場ミーティングルーム7(6階)
講師:岡野宏文さん(元「新劇」編集長、ライター&エディター)
【課題原稿】
1.笑いと絶望の向こう側(伊澤拓人)
2.私が舞台の上で見たいこと(小池正之)→
3.見えない闇を、見せられた。(酒井はる奈)→
4.観客の後ろに結ばれるフォーカス(齋藤理一郎)
5.質の高い抽象画(平井千世)→
6.POWER TO THE PEOPLE~生き続けることの肯定と平穏な老後の否定(小泉うめ)
7.ゾンビは中道を歩む(寺谷篤人)
8.ハエのように考え、そこで終わる(宮武葉子)→
9.『ハエのように舞い 牛は笑う』~軽やかに~(高橋楓)
10.観客に持ち帰ってもらうものを考える(関島弥生)→
11.蝿の明日(中村直樹)→
◎プルコギのように舞い、松花堂弁当は笑う(岡野宏文)
*到着順に一連番号をつけた。
*タイトルは原文のまま。筆者名は括弧内に入れた。
*観劇日時は末尾の括弧内に入れた。
*セミナー当日合評された劇評を再度チェックしてもらった上、了解を得たものを掲載。
【上演記録】
はえぎわ「ハエのように舞い 牛は笑う」
東京芸術劇場シアターイースト(2014年8月23日-31日)
[作・演出]
ノゾエ征爾
[出演]
井内ミワク、町田水城、鈴真紀史、滝寛式、竹口龍茶、川上友里、鳥島明、富川一人、山口航太、ノゾエ征爾、笠木泉、上村聡(遊園地再生事業団)、河井克夫、橘花梨
音楽:田中馨+1(川村亘平斎(滞空時間):25日,27日~31日、オロロトリヒロ(COINN): 23日,24日,26日)
[スタッフ]
舞台監督 : 田中翼
舞台美術 : 稲田美智子
音響 : 井上直裕(atSound)
照明 : 葛生英之(日高舞台照明)
音楽 : 田中馨+1(川村亘平斎(滞空時間)、オロロトリヒロ (COINN)
衣裳 : rei(GRENADINE)
宣伝美術 : 成田久(キュキュキュカンパニー)
宣伝写真 : 森恒河
印刷 : 凸版印刷
ホームページ制作:朝日太一
ドラマターク:齋藤拓(青年団)
演出助手 : 松森モヘー、萩野肇
協力 : アニマ・エージェンシー、イトーカンパニー、エースエージェント、エスアーティスト、M3&CO.、krei inc.、MY promotion、吉住モータース
提携 : 東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成 : 文化庁文化芸術振興費補助金
制作進行 : 桑澤恵、リトルジャイアンツ
主催 : はえぎわ
チケット料金 (全席整理番号付自由席・税込)
前売り 3,500円 / 当日 4,000円
高校生割引 1,000円 / 中学生以下500円