◎劇評を書くセミナー KYOTO EXPERIMENT 2014編 報告と課題劇評
ワンダーランドは今年初めての試みとして、東京を飛び出し、KYOTO EXPERIMENT公演を題材にした劇評セミナーを開催しました。11月3日、京都芸術センターの和室「明倫」に12名の参加者が集まりました。
講師は京都造形芸術大学舞台芸術学科教授、同大学舞台芸術研究センター主任研究員、そしてKYOTO EXPERIMENTの実行委員長でいらっしゃる森山直人さん。提出された劇評一篇ごとに、取り上げられた作品の性格やご自分の評価も加えつつ、丁寧に講評を加えました。今回の課題劇評はKYOTO EXPERIMENTの公式プログラムの多くをバランスよくカバーするものでした。また形式的に従来の劇評の型に収まらないものなど、読み応えのある作品がそろいました。
森山さんの講評を受けて作品を巡る議論が活発に行われ、5年目を迎えたKYOTO EXPERIMENTの充実ぶりを象徴するような、実りある時間になりました。
提出された原稿のうち、了解の得られたものを掲載します。(編集部)
課題公演:KYOTO EXPERIMENT京都国際芸術祭2014で上演される舞台(フリンジなど関連企画を含む)
日時:2014年11月3日(月・祝)14:00-16:30
会場:京都芸術センター 和室「明倫」
講師:森山直人さん(演劇批評家。京都造形芸術大学舞台芸術学科教授、同大学舞台芸術研究センター主任研究員。京都国際舞台芸術祭実行委員長)
【課題原稿】
1 contact Gonzo「xapaxnannan(ザパックス・ナンナン):私たちの未来のスポーツ」
◎芝の上ではなにが行われる(中村優子)→
2 「KYOTO EXPERIMENT2014」3本のレビュー(武藤祐二)→
(1)金氏徹平、横山裕一ほか「ライブペインティング『トレースのヨーカイ』」
◎木に竹を接ぐ。創造的誤解の連鎖
(2)ルイス・ガレー「メンタルアクティヴィティ」
◎物体と関わる身振り。テクスト化する身体
(3)悪魔のしるし「わが父、ジャコメッティ」
◎虚と実のトポロジー
3 She She Pop『春の祭典―She She Popとその母親たちによる』
◎母性という名の呪い(中垣みゆき)
4 村川拓也「エヴェレットゴーストラインズ」
◎エヴェレットゴーストラインズのおもしろさとその伝わらなさ(久保聡介)→(PDF, 673KB)
5 京都銭湯芸術祭2014 加茂温泉
◎わが街、京都(中村直樹)→
6 フランソワ・シェニョー&セシリア・ベンゴレア「TWERK」
◎回転。このあまりにも希望過ぎて絶望過ぎる躍動感(上田修)→
7 ルイス・ガレー「マネリエス」
◎ひとつの見本、なんであれかまわないもの(小泉うめ)→
8 木ノ下歌舞伎『三人吉三』(竹市朋世)
9 contact Gonzo「xapaxnannan(ザパックス・ナンナン):私たちの未来のスポーツ」
◎contact Gonzoにおける規範と即興の呼応性(松尾加奈)→
*到着順に一連番号をつけた。
*筆者名はタイトルのあとの丸括弧内に入れた。
*観劇日時は末尾の括弧内に入れた。
【上演記録】
KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2014
開催期間:2014年9月27日-10月19日
会場:京都芸術センター、京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学内)、元・立誠小学校、京都府立府民ホール“アルティ”、西京極スタジアム(京都市西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場、Gallery PARCほか
内容:
公式プログラム、フリンジ「使えるプログラム」、フリンジ「オープンエントリー作品」、そのほか関連イベント
公式プログラム参加アーティスト:
ティナ・サッター/ハーフ・ストラドル、高嶺格、村川拓也、ルイス・ガレー、She She Pop、木ノ下歌舞伎、contact Gonzo、悪魔のしるし、フランソワ・シェニョー&セシリア・ベンゴレア、地点、金氏徹平
主催:京都国際舞台芸術祭実行委員会(京都市、京都芸術センター、公益財団法人京都市芸術文化協会、京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター、公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団 )