◎劇評を書くセミナー第9回 報告と課題劇評
劇評を書くセミナー東京芸術劇場コース最終回(第9回)は2013年4月2日、東京芸術劇場セミナールームで開かれました。取り上げたのは、「マシーン日記」(作・演出:松尾スズキ)(2013年3月14日-31日)です。講師は佐々木敦さん(批評家)でした。
セミナーはいつものように、執筆者の言葉に始まり、出席者の感想や意見を募り、最後に佐々木さんの質問や解読で締めくくられました。タイトルの「マシーン日記」とはだれが書いたのか、登場人物4人のうち一番かわいそうな人、一番ヘンな人はだれか-。こういう質問もでましたが、見解は文字通りバラバラ。見る人を映す鏡のような舞台だったのかもしれません。
「マシーン日記」の初演は1996年。「新世紀エヴァンゲリオン」(1995年)のせりふが劇中に取り込まれていたので、同じ時代の空気を感じた人も多かったようです。ところがそのせりふは初演にはなく、今回初めて登場したとのことでした。
再演を重ねてきたこの作品は新潟、北九州公演のあと、4月末にパリ公演が予定されています。このパリ公演を見すえて、せりふも随所で書き直され、「エヴァ」のせりふもその一つだったというのです。講師の佐々木さんも驚く予想外の内幕、制作スタッフのことばでした。
セミナーの掉尾を飾る劇評がそろいました。了解を得られた6本を掲載します。じっくりとご覧ください。(編集部)
【課題原稿】
01. どんちゃん騒ぎとそれ以外(朝比奈竜生)
02. 狂気はそこここに潜んでいる、かも、しれない。(宮武葉子)
03. 救われない「悪」(竹之内葉子)>>
04. 家族の食卓という呪縛(澤田悦子)>>
05. マシーン日記(水牛健太郎)>>
06. 自慢の殺意(本吉亜衣)>>
07.ほんわかぱっぱ、ほんわかぱっぱ、ケイコさん(中村直樹)
08. 研ぎ澄まされた戯曲そのものが選び集めたキャスト(小泉うめ)>>
09. マシーン≪になる前に書いた≫日記(でんない いっこう)>>
*掲載は到着順。一連番号を付けた。
*筆者名はタイトルのあとの丸括弧内に入れた。
*末尾の括弧は観劇日時。
課題公演:「マシーン日記」(作・演出:松尾スズキ)(2013年3月14日-31日)
日時:2013年4月02日(火) 19:00-21:30
会場:東京芸術劇場(6階)ミーティングルーム7
講師:佐々木敦さん(批評家)
【上演記録】
東京芸術劇場「マシーン日記」(東京芸術劇場リニューアル記念)
東京芸術劇場シアターイースト(2013年3月14日-31日)
作・演出 松尾スズキ
出演
鈴木 杏
少路勇介
オクイシュージ
峯村リエ
チケット料金
一般5,500円、65歳以上3,500円、25歳以下 3,000円、高校生割引 1,000円
障害者割引 4,950円(付添1名無料)視覚障害者(定員10人)、聴覚障害者(定員10人)
スタッフ
舞台監督:瀬崎将孝
美術:池田ともゆき
照明:佐藤 啓
音響:藤田赤目
映像:上田大樹(&Fiction!)
衣裳:戸田京子
ヘアメイク:大和田一美
演出助手:大堀光威
制作進行:花澤理恵(Little giants)
宣伝美術ディレクション:&Fiction!
宣伝美術デザイン・写真:トリプル・オー
宣伝美術・美術:松本千広(ART BREAKERS)
企画制作:東京芸術劇場
協力:大人計画、フォスター、シス・カンパニー、オフィス1号室
▽視覚障害者のための舞台説明会
東京芸術劇場(B1F) シアターイースト(2013年3月23日12:50-13:20)
▽聴覚障害者のためのポータブル字幕機サービス説明会
東京芸術劇場(B1F) シアターイースト(2013年3月23日13:30-13:50)
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
東京都/東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)
*本公演は東京文化発信プロジェクト事業です
《「マシーン日記」ツアー情報》
・新潟公演 りゅーとぴあ・劇場(2013年4月13日)
・北九州公演 北九州芸術劇場・中劇場(4月20日-21日)
・パリ公演 パリ日本文化会館・大ホール(4月25日-27日)