東京芸術劇場「狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した~」

kyoujin_naomote0a 劇評を書くセミナー2014の第6回の課題は、Roots企画vol.2 「狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した~」(清水邦夫作、熊林弘高演出)でした。1960~70年代の名作を新しいスタッフ、キャストで上演し、現代における意味を探るRoots企画。2013年に上演されたつかこうへいの「ストリッパー物語」に次ぐ第2弾は、熱い政治の季節に一つの事件となった清水邦夫の伝説的な作品の登場です。デモで警官に頭を殴られ、妄想の世界の住人と化した長男。彼の前で娼婦とその客を演じる家族たちの前に、自由奔放な次男の恋人が出現することで、全てが崩壊していきます。
 今回は11人の評が集まりました。講師の扇田昭彦さん(演劇評論家)は、自ら体験した初演の衝撃や特徴ある舞台美術などについて熱を込めて振り返りつつ、今回の上演を受け止めた参加者の一つ一つの評について、質問を交えながら丁寧にアドバイスしました。セミナー終了後は、扇田さんに特別参加の岡野宏文さん(元「新劇」編集長、ライター&エディター、劇評セミナー第3回講師)も交え、東京芸術劇場近くのレストランで交流会が開催され、今回で最後となるセミナーの思い出話に花を咲かせました。
 セミナー後に提出されたものも含めた原稿のうち、了解の得られたものを掲載します。(編集部)

 

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【写真は、劇評を書くセミナー第6回から(東京芸術劇場)。撮影=ワンダーランド 禁無断転載】

 

◎劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース2014 第6回

課題公演: 東京芸術劇場 「狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した ~」(Roots企画 Vol.2)
日時:2015年3月14日(土)14:00-16:30
会場:東京芸術劇場ミーティングルーム7(6階)
講師:扇田昭彦さん(演劇評論家)

【課題原稿】
1.狂人だらけのこの世の中(中村直樹)
2.今も、僕たちは愛している(箕浦光)
3.意味を超えて、魅了されることの悦楽(酒井はる奈)
4.いわんや「へなちょこリベラル」をや -僕達は、気をつけて- (高橋英之)
5.「往生」したのは何だろう。(宮武葉子)
6.狂人なおもて往生をとぐ、いわんや常人や…(澤田悦子)
7.「狂人なおもて往生をとぐ」劇評(松崎玲)
8.狂人―その名はハムレット(石井はるか)
9.隣人なおもて排外をさけぶ(寺谷篤人)
10.妄想の、あまりに過激であること~清水邦夫「狂人なおもて往生をとぐ」観劇記(野呂瑠美子)
11.いわんや観客をや(平井千世)

*到着順に一連番号をつけた。
*筆者名はタイトルのあとの丸括弧内に入れた。
*観劇日時は末尾の括弧内に入れた。
*セミナー当日合評された劇評を再度チェックしてもらった上、了解を得たものを掲載。

【上演記録】
東京芸術劇場 「狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した ~」(Roots企画vol.2)
東京芸術劇場シアターウエスト(2015年2月10日-26日)

作:清水邦夫
演出:熊林弘高
ドラマターグ:木内宏昌

[出演]
福士誠治、緒川たまき、門脇麦、葉山奨之、鷲尾真知子、中嶋しゅう

[スタッフ]
美術:二村周作
照明:笠原俊幸
音響:長野朋美(オフィス新音)
衣裳:伊藤佐智子(ブリュッケ)
ヘアメイク:鎌田直樹
舞台監督:増田裕幸

演出部:佐藤保誠 松井美保
照明部:清家玲子 奥出利重子
音響部:玉置はる美(オフィス新音)
衣装部:三木松江
ヘアメイク部:宮澤有恵

美術助手:谷口綾
衣装助手:甲斐田亜希(ブリュッケ)

大道具制作:C-COM/豊永恭子
小道具:高津映画装飾/中村エリト
土屋工房/土屋武史
電飾:イルカミ東京/小田切秀一
運搬:マイド

主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
東京都/東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成:文化庁ロゴマーク平成26年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業

[チケット]
前売 5,800円
当日 6,000円

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