◎劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース 第3回 報告と課題劇評
ワンダーランドの「劇評を書くセミナー」(東京芸術劇場共催)第3回は11月2日(金)午後7時から同劇場ミーティングルームで開かれました。講師は演劇ジャーナリストの徳永京子さんです。
合評の対象になったのは、受講者が書いた「遭難、」公演の劇評12本です。舞台は、中学校と思われる職員室でした。しかも2学年の先生だけが別室に隔てられているという設定です。自殺を図った生徒の母親が押しかけるとひたすら謝る担任、うろたえる先生たち。やがて教師や母親の人間像が明らかになり…。鶴屋南北戯曲賞受賞作の6年ぶりの再演です。公演間近になって配役交代で登場した菅原永二の女性教師役、舞台前面で上げ下ろしされる透明な仕切り、トラウマの影響などがさまざまま角度から取り上げられました。
セミナーは出席者の自己紹介の後、講師の徳永さんが個別の劇評を取り上げ、それぞれの特徴、長所や欠点を具体的に指摘。にこやかな口調ながら鋭いメスさばきでした。終了後は館内のレストランで、徳永さんを囲んで夜遅くまで話し合いが続きました。以下、掲載の了解が得られた劇評です。ご一読ください。(編集部)
【写真は、劇評を書くセミナー2012 第3回から(東京芸術劇場)、撮影=ワンダーランド 禁無断転載】
講師:徳永京子さん(演劇ジャーナリスト)
対象公演:劇団、本谷有希子 第16回公演「遭難、」
日時・会場:2012年11月2日(金) 東京芸術劇場ミーティングルーム 7
【課題劇評】
1.あえて拭わない「ズレ」(舘 巴絵)>>
2.逆境モトヤ(中村直樹)>>
3.人が去ったところからドラマが始まる(須田久美子)>>
4.なんと、トラウマ、でした(客笑)(福原 幹之)>>
5.でもしか先生(平林正男)>>
6.直◎感想(でんない いっこう)
7.悪いのだーれだ(別府桃子)>>
8.待てば「回路」の日和あり(大泉尚子)>>
9.自意識の自家中毒(澤田悦子)>>
10.原因と結果 -「遭難、」より-(小林まき)>>
11.その人はきっと生還する(都留由子)
12.東京芸術劇場で「遭難、」する(小泉うめ)>>
13. 遭難、したくないから山には登らない。(兒島利弥)
*掲載は到着順。一連番号を付けた。
*タイトルは原文通り。
*セミナー当日合評された劇評を再度チェックしてもらった上、了解を得たものを掲載した。
【上演記録】
劇団、本谷有希子 第16回公演「遭難、」(2006年初演。鶴屋南北戯曲賞受賞)
東京芸術劇場シアターイースト(2012年10月2日-23日)
作・演出 本谷有希子
出演 菅原永二、美波、佐津川愛美、松井周、片桐はいり
(※9月10日、黒沢あすかが急病のため降板、菅原永二に代わる)
スタッフ
美術:松井るみ/照明:佐藤 啓/音響:藤森直樹(Sound Busters)/音楽:渡邊琢磨/衣裳:澤田石和寛/ヘアメイク:二宮ミハル/演出助手:相田剛志/舞台監督:南部 丈 / 宣伝美術アートディレクション:ファンタジスタ歌麿呂/デザイン:清水槙子(TREE)/宣伝写真:太田好治/宣伝スタイリング:酒井タケル/宣伝ヘアメイク:坂西透/宣伝衣裳協力: THEATREPRODUCTS 、アトリエ染花、ANREALAGE/WEB制作:忍田裕子、山下部明宣、木村美緒(株式会社アクトゼロ)/票券:脇本好美/当日運営:宍戸円/制作助手:嶋口春香/制作:寺本真美
提携:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成:文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
主催:ヴィレッヂ
企画・製作:ヴィレッヂ・劇団、本谷有希子
*本公演は東京文化発信プロジェクト事業です
料金:5,800円/ヤングチケット:3,500円(全席指定・税込)
【長野公演】
まつもと市民芸術館 小ホール 2012年10月27日(土)14時/19時開演
料金:5,800円(全席指定・税込)
【大阪公演】 ABCホール
2012年11月2日(金)19時開演/3日(土)13時・18時開演/4日(日)13時・18時開演
料金:5,800円(全席指定・税込)
【北九州公演】 北九州芸術劇場 中劇場
2012年11月6日(火)19時開演
料金:【前売】4,500円 【当日】5,000円(全席指定・税込)