◎劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コースII 第2回 報告と課題劇評
ワンダーランドの「劇評を書くセミナー2013」第2回は7月6日(土)東京芸術劇場のミーティングルーム7で開かれました。参加者は20人余りで、共催の同劇場からも3人のスタッフが出席されました。
今回取り上げた公演は城山羊の会「効率の優先」です。ある会社のオフィスを舞台に、恋愛と暴力の連鎖が思わぬ事態へと展開していくブラック・コメディ。
講師は大岡淳さん(演出家、劇作家、批評家、パフォーマー)でした。セミナーはそれぞれの劇評について大岡さんがコメントし、執筆者自身のコメントと参加者からの意見という形で進められました。
今回はこの作品の持つ冷笑的なスタンスをどう理解するか、という点と、特に女性の登場人物の扱いについて、議論が集中しました。参加者の間でも意見は様々で、時に緊迫した空気が漂う瞬間もありました。時間も予定よりも長引き、ヘビーかつ充実したセミナーとなりました。
当日提出された劇評は16本でした。そのうち執筆者の了承が得られたものを掲載いたします。なお、一部原稿については、セミナーでの講評や議論を踏まえ、執筆者自身による改稿が行われています。(編集部)
講師:大岡淳さん(演出家、劇作家、批評家、パフォーマー)
対象公演:城山羊の会「効率の優先」
日時:2013年7月6日(土) 18:30-21:00
会場:東京芸術劇場ミーティングルーム7(6階)
【課題原稿】
1.効率の優先された物語(中村直樹)
2.檻に入った余所行き顔の珍獣たち(小泉うめ)→
3.ここは会社だろうか?(宮武葉子)→
4.恋でいっぱいの会社――ペルソナと素顔を巡って。(水牛健太郎)→
5.ウソつきオセロのドミノ倒し(仲野マリ)→
6.城山羊の会『効率の優先』(大熊玲子)
7.隠蔽が難しい時代の告発劇(米川青馬)→
8.判例解説:ノイズに生きるわれら-『効率の優先』事件(高橋英之)
9.優先するのは…(平井千世)→
10.「効率の優先」というタイトルの舞台を観て(齋藤陽子)→
11.ねぎらいの共犯関係(落雅季子)→
12.発端高橋 (坪井暗渠)→
13.オフィスという名の教室で(山田紗希)→
14.女たちの狂気で進み終わらせる芝居(黒田可菜)
15.無意味の系譜(鉢村優)
16.私は私が好きですが(兒島利弥)
◎はたしてこれは効率を優先した結果なのか?(大岡淳)→
*到着順に一連番号をつけた。
*タイトルは原文のまま。筆者名は丸括弧内に入れた。
*セミナー当日合評された劇評を再度チェックしてもらった上、了解を得たものを掲載。
【上演記録】
城山羊の会「効率の優先」
東京芸術劇場 シアターイースト(2013年6月7日-16日)
作・演出 山内ケンジ
出演
鈴木浩介 石橋けい 岡部たかし 岩谷健司 金子岳憲 松本まりか 白石直也 松澤匠 吉田彩乃
スタッフ
舞台監督:森下紀彦・神永結花
照明:佐藤啓
音響:藤平美保子
舞台美術:杉山至
衣裳:加藤和恵・平野里子
宣伝美術:螢光TOKYO+DESIGN BOY
イラスト:コーロキキョーコ
制作助手:平野里子・渡邉美保(E-Pin企画)
制作プロデューサー:城島和加乃(E-Pin企画)
提携:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
製作:城山羊の会
チケット料金
前売:3,500円/当日:4,000円
高校生割引:高校生=1,000円