◎劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コースII 第1回 報告と課題劇評
取り上げた公演はハイバイ「て」、講師は批評家の佐々木敦さんでした。セミナーはまず、劇評の狙いなどを執筆者に聞いてから佐々木さんがコメント。参加者からも意見を出してもらう形で進められました。
議論の的となったのは、同じ出来事を別の登場人物の視点で描き直したことでした。この構造が、家族の希望と絶望の間をいったりきたりする物語に繋がり、見る人の意見にもグラデーションが生まれるとの指摘がありました。それが多くの人の書きたいという気持ちを誘った要因のひとつかもしれません。提出された劇評は17本ですが、後日、キャンセル待ちが適わなかった方からも原稿が届きました。以下、それらのうち了解の得られたものを掲載します。(編集部)
講師:佐々木敦さん(批評家)
対象公演:ハイバイ「て」
日時:2013年6月15日(土) 18:30-21:00
会場:東京芸術劇場ミーティングルーム7(6階)
【課題原稿】
1.その「て」で持ちあげて感じた「重くてバランスの悪い棺」(小泉うめ)>>
2.岩井の女装と揺るぎない母について(水牛健太郎)>>
3.虚構らしさを通じて読む(山田紗希)
4.バルバロイな家族たち(仲野マリ)>>
5.ハイバイ「て」劇評(渡辺沙央里)
6.「そうそう、家族ってそんな感じ」の2時間弱(米川青馬)>>
7.ハイバイ「て」(黒田可菜)
8.業としての家族(鉢村優)>>
9.説教:マーガレット・サッチャーに、岩井秀人を推薦する。(高橋英之)>>
10.家族(という)劇における「観客」としての老人について(廣澤梓)>>
11.手のひらで転がる家族という因縁(平井千世)
12.てとてを繋ぐために(中村直樹)>>
13.ハイバイ「て」を観て(萩野あやこ)
14.ハイバイ「て」を観て(槌谷昭人)
15.ひらこう(兒島利弥)>>
16.家族が集うということ(小林まき)
17.おかあさん指だって男根には似ている(安田直彦)>>
18.両手の指と、同じ山(山本愛弓)>>
*到着順に一連番号をつけた。
*タイトルは原文のまま。筆者名は丸括弧内に入れた。
*セミナー当日合評された劇評を再度チェックしてもらった上、了解を得たものを掲載。
【写真は、挨拶する東京芸術劇場副館長の高萩宏さん(上)と、セミナー会場(下)。撮影=©ワンダーランド】
【上演記録】
ハイバイ「て」
東京芸術劇場 シアターイースト(2013年5月21日-6月2日)
作・演出 岩井秀人
出演
岩井秀人 上田遥 永井若葉 平原テツ 青野竜平 奥田洋平 佐久間麻由 高橋周平 富川一人 用松亮 / 小熊ヒデジ / 猪股俊明
スタッフ
舞台監督/谷澤拓巳
舞台美術/秋山光洋
照明/松本大介(松本デザイン室)
照明操作/和田東史子
音響/高橋真衣
衣装/小松陽佳留(une chrysantheme)
記録・宣伝写真/曳野若菜
WEB/斎藤拓
宣伝美術/土屋朋子(citron works)
票券/富永直子(quinada)
制作/三好佐智子(quinada)・坂田厚子(quinada)・藤木やよい・西村和晃
チケット料金(自由席)
一般 前売(前半割):3,000円 当日3,500円
前売 :3,300円 当日3,500円
学生 前売・当日共:2,500円
高校生以下 前売・当日共:1,000円
主催:ハイバイ、quinada
提携:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)