◎劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース 第1回 報告と課題劇評
ワンダーランドの「劇評を書くセミナー」は2012年年9月、リニューアルオープンした東京芸術劇場の共催で始まりました。同劇場で上演される舞台を4人の講師の方々とともに合評する全9回の講座です。第1回は9月21日(金)午後7時から同劇場ミーティングスペースで開かれました。
合評の対象になったのは「ショックヘッド・ピーター」公演の劇評12本です。この公演が日本語字幕付きのハンガリー語で上演されたことに対する評価、「子ども」のためとは何か、舞台と重ね合わされるハンガリーの戦後史、リニューアルオープンに合わせて取り上げられたわけ、不可解だったウサギ狩りエピソードの意味などなど、多岐にわたる視角から12通りの光があらためて舞台に当てられました。
執筆した受講者から自分の劇評について話してもらったあと、参加者から質問や意見が出され、講師の林あまりさんが最後に意見と指摘を加えて締めくくる形で進行しました。終わったのが午後10時近く。その後も居残りの方々が館内のレストランで遅くまで話し合いました。以下、執筆者の了解を得た劇評を掲載します。(編集部)
【写真は、劇評を書くセミナー2012 第1回から(東京芸術劇場)、撮影=ワンダーランド 禁無断転載】
講師:林あまりさん(歌人、演劇評論家)
対象公演:劇団オルケーニ「ショックヘッド・ピーター」(9月1日-9日)
日時・会場:2012年9月21日(金) 19:00-21:30
会場:東京芸術劇場ミーティングルーム 7(6階)
【課題劇評】
1.よいこへの処方箋(平林正男)>>
2.教訓などない見世物小屋芝居の教訓(高橋英之)>>
3.「あるがままで在ること」への憧れと嫉妬、そして怒り(工藤優希)>>
4.悪心を呑む(中村直樹)>>
5.嗜虐の後ろめたさと快感(片山幹生)>>
6.まだちょっぴりお母さん側~ショックヘッド・ピーター(小泉うめ)>>
7.いい子にしてればウサギだってライフルだってもらえるよ(大泉尚子)>>
8.『ショックヘッド・ピーター』あるいは『ぼうぼうあたま』(吉田季実子)>>
9.成長ショックヘッド(兒島 利弥)>>
10. 子どものための「ショックヘッド・ピーター」(都留由子)>>
11. リニューアル・オープニング作品としての意義(稲田充弘)>>
12. ハンガリーはここだよ(大石風明)
◇ メモ(長坂秀子)
◎ 一流の観客、三流の観客(林あまり)>>
*掲載は到着順。一連番号を付けた。
*タイトルは原文通り。
*セミナー当日合評された劇評を再度チェックしてもらった上、了解を得たものを掲載した。
*◎印は、講師林あまりさんの劇評。
【上演記録】
ジャンク・オペラ『ショックヘッド・ピーター ~よいこのえほん~』(東京芸術劇場リニューアル記念 TACT/FESTIVAL 2012)
東京芸術劇場シアターイースト(2012年9月1日-9日)
※就学年齢以上のお子様との同伴鑑賞をおすすめします。
※ハンガリー語上演・日本語字幕つき
作・演出
作:ジュリアン・クラウチ/フィリム・マクダーモット/タイガー・リリーズ(音楽)
ハンガリー語版翻案:パルティ・ナジュ・ラヨシュ
ハンガリー語版演出:アシェル・タマーシュ
出演:劇団オルケーニ(ハンガリー)
★:上演45分前より、TACT/FESTIVAL 2012 「ひつじ」開演(観覧無料)。
チケット料金
前売 一般:4,000円 / こども(高校生以下):1,000円 / 親子セット券:4,500円(高校生以下対象) / 65歳以上:3,000円 / 25歳以下:2,500円
【障害者割引】一般席4,000円を10%割引。付添は1名まで無料。
主催:東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)
東京都/東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)
後援:駐日ハンガリー大使館 外務省
協力:国際交流基金
助成:平成24年度文化庁「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」
*本公演は東京文化発信プロジェクト事業。
*TACT/FESTIVALは、子どもだけでなく親子で、そして大人だけでも楽しめる海外の上質なパフォーマンスを招聘し、各地の“夏”を盛り上げようという公共劇場の連携事業企画。2010年には東京劇術劇場、まつもと市民芸術館、びわ湖ホール、2011年には新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあが加わり、4つの公共劇場で上演されました。